1924年(大正13年)と1926年(大正15年)に、自社松島工場で製造された両運転台式の制御電動車で、3両(デハ110 - 112)が存在した。これらのうち110は、国有化はるか以前の1928年(昭和3年)に三河鉄道へ譲渡され同社のデ200となり、末尾の112が2代目110に改番されている。
三河鉄道デ200は、後の合併により名古屋鉄道モ1100形(1101)となり、名鉄モ3700系電車走行機器を譲り廃車された。
車体は、デ100形、デ200形とほぼ同様の16m級木製であるが、窓配置は、1D151D151D1と扉間の窓が1枚多く、その分1枚当たりの幅が狭くなっている。電動機についてはデ100形と同様の78.3kW×4であるが、台車は汽車製造製のKS-30Lであった。
買収後は、伊那松島に配置され飯田線北部で使用されたが、同区間の昇圧に伴って富山港線に移り、1953年の車両形式称号規程改正時点では110が両運転台の制御電動車、111は電装解除されて片運転台の制御車となっていた。そのため、110がモハ1910形(1910)、111がクハ5920形(5920)となっている。1910は1950年(昭和30年)3月に廃車解体、5920は1954年(昭和29年)3月に廃車、北陸鉄道に譲渡されている。
デ120形 [編集]
1927年(昭和2年)に、汽車製造東京支店で製造された両運転台式の制御電動車で、5両(デハ120 - 124)が製造された。車体デザインや走行機器類はデ110形を踏襲するものの、車体を鋼製とした半鋼製車である。
買収後は伊那松島に配置され、僚車とともに飯田線北部で使用されたが、1952年に福塩線用として府中町電車区に転属。さらに1953年には富山港線に転用された。同年6月に実施された車両形式称号規程改正では、モハ1920形(1920 - 1924)に改番されたが、1920 - 1923は1956年3月、1924は1955年3月に廃車され、全車が私鉄に払下げられた。
附随客車 [編集]
サ100形 [編集]
1924年(大正13年)に日本車輌製造東京支店で3両が製造された木製付随車で、製造当初は1 - 3と称したが、第2次大改番によりサ100形(100 - 102)となった。二等三等郵便荷物合造車で、記号は「サロハユニフ」という非常に長いものであった。1937年(昭和12年)9月1日付けで二等車が廃止されたため、記号は「サハユニフ」に変更され、この状態で1943年の買収を迎えた。この時点での車体の特徴を次に記す。
車体は全長16m級のモニタールーフを持つ木造車で、車体の半分が郵便室(荷重3t)、その次位に荷物室(荷重1t)、後位側は三等室で定員は32人(うち座席16人)である。便所は、前位側と後位側の車端部に2か所設けられており、三等室は便所の位置の関係で左右で扉の位置がオフセットされている。台車は釣合梁式のTR10、自重は25tである。
1937年の三信鉄道全通により豊橋 - 辰野間の直通運転が開始されたのに伴い、本形式は直通運転用に使用された[5]。国有化後は豊橋機関区に転属し、引き続き直通運転用に使用されたが、この間の1945年(昭和20年)2月に、100が土砂崩れにより宇連川に転落して廃車となっている。
本形式は、飯田線北部の1500V昇圧にともなって営業運転から退き、1952年(昭和27年)に救援車に改造され、妻面に観音開き式の扉が設けられた。翌年6月の改番では、サエ9320形(9320, 9321)に改称され、9320は中部天竜機関支区、9321は豊橋機関区の配置となった。豊橋の9321はクエ28形の就役に伴って1964年(昭和39年)に廃車となったが、中部天竜の9320はさらに長命を保ち、1979年(昭和54年)まで在籍して、国鉄最後の木造電車となった。
サ110形 [編集]
1926年(大正15年)自社松島工場製のサハフ312を、1937年に三等郵便荷物合造車「サハユニフ」に改造したもので、サ100形とともに直通運転用に使用された。サ100形と同様の経過をたどって1953年に救援車に改造され、同年6月の改番ではサエ9330形(9330)となったが、1959年(昭和34年)12月の番号整理によりサエ9320形に編入され、9322と改番された。本車は、伊那松島機関区の救援車として使用されていたが、1971年(昭和46年)に後継のクモエ21形が配置されたのに伴い廃車解体された。
サ200形、サ300形→サ210形・サ220形 [編集]
1920年日本車輌製造東京支店で製造された、車体長14m級の600V電化時代の木製電動車(ホ1 - 3)を昇圧後に電装解除により付随車化したものである。1926年の第2次大改番により、番号順にサ300形(サハフ300, 301)、サ200形(サロハフ200)に改められた。その後1929年(昭和4年)に全車が再改造され、上記の順番でサ220形(サハニフ220)、サ210形(サハニフ210)、サ200形(サハニフ200)となっている。
国有化後は、従来同様伊那松島機関区の配置で、後付付随車として運用された。サハニフ200は1951年、サハニフ210は1950年、サハニフ220は1952年に廃車解体されており、国鉄形式は与えられていない。
サ310形 [編集]
1926年汽車製造東京支店製の三等付随車で、車体長16m級の木造車である。3両(サハフ310 - 312)が製造されたが、1937年に312が三等郵便荷物合造車(サハユニフ110)に改造され、1943年の国有化時点では2両(サハフ310, 311)が在籍していた。その後も伊那松島機関区に配置されていたが、1952年に310は救援車に改造のうえ客車に類別変更されナヤ16870と改番、311も同年解体されたが、旧南海鉄道(阪和電気鉄道)モタ307の廃車体をクハ752として復籍させる際の名義上の改造種車となっている。
サ400形 [編集]
1929年に製造された半鋼製で丸屋根を持つ車体長16m級の三等荷物合造付随車である。汽車製造東京支店で3両(サハニフ400 - 402)、日本車輌製造東京支店製の2両(サハニフ403, 404)の計5両が製造された。両者は基本的には同形同大であるが、細部に違いがある。側面窓配置は、1D(荷)4D6D3で、荷物室の荷重は2t、三等室の定員は90人(うち座席48人)で、三等室の扉間にはボックスシートが6組配置されている。自重は25t。
国有化後は、伊那松島機関区にあって従来同様後付付随車として使用されたが、1952年6月に運用の合理化のため400と401が荷物室を運転室に転用して制御車化され、記号が「クハ」となっており、翌年の車両形式称号規程改正によりクハ5900形(5900, 5901)に改められた。両車は1958年(昭和33年)2月および3月に、試作交流直流両用電車の電源車に改造され、73034, 73050とユニットを組んで、作並機関区に転属、仙山線での交流電化の試験に供された。1959年の車両形式称号規程改正でクヤ490形(1, 11)に改番され、さらに1960年には営業用にも使用されることとなって、クハ490形(番号同じ)に改称された。廃車は1966年(昭和41年)2月である。
付随車のまま残っていた3両(402 - 404)は、1952年に仙石線に転出し、1953年の車両形式称号規程改正でサハニ7900形(7900 - 7902)に改められたが1957年2月に廃車され、うち7901と7902は翌年、弘南鉄道に譲渡された。
譲渡 [編集]
デハ200 - 伊豆箱根鉄道モハ45(1952年) → 車体振替(1960年代) → 廃車(1970年代)
デハ204 - 岳南鉄道モハ201(1952年) → モハ1101(1959年、日車標準車体に更新) → 近江鉄道モハ101(1987年)
1900 - 北陸鉄道浅野川線モハ851(1954年11月) → 廃車(1962年6月)
1901 - 上田丸子電鉄丸子線モハ5261(1954年) → モハ5271(1959年、車体振替 東急クハ3220形) → 廃車(1969年)
1920 - 北陸鉄道浅野川線モハ3101(1956年) → 石川線クハ1151(1966年2月) → 廃車(1968年2月)?
1921 - 北陸鉄道浅野川線モハ3102(1956年) → 石川線クハ1152(1966年2月) → 廃車(1967年)
1922 - 北陸鉄道石川線モハ3103(1956年) → モハ3151(1966年2月) → 廃車(1968年2月。台車電装品はモハ3771に転用)
1923 - 北陸鉄道石川線モハ3104(1956年) → モハ3152(1966年2月) → 廃車(1967年。台車電装品はモハ3772に転用)
1924 - 新潟交通モハ16(1957年1月) → 車体振替(1969年6月。小田急デハ1409) → 廃車
5910 - 上田丸子電鉄丸子線クハ261(1954年) → クハ271(1959年、車体振替 東急クハ3220形) → 廃車(1969年)
5920 - 北陸鉄道浅野川線クハ501(1954年11月) → モハ852(時期不詳) → 廃車(1962年6月)
7901 - 弘南鉄道クハニ1272(1958年12月) → 廃車(1985年10月)
7902 - 弘南鉄道クハニ1271(1958年12月) → 廃車
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